株式会社ニックス
「お客さまのために」
社員と歩む、ニックスの成長ストーリー
祖業のビルメンテナンスから事業を拡大し、地域のニーズに合うサービスを提供している株式会社ニックス。広島市を拠点に約40事業所を運営する介護事業が主力となっており、YMFGグロースパートナーズ(YMGP)では2020年から事業の持続的な成長を見据え、組織体制の強化やマネジメント層の人材紹介を通じて同社の経営に伴走しています。
今回の対談では同社の西川直希社長とYMGPの山崎がこれまでの歩みと今後の展望を語りました。
左から、㈱ニックス 西川社長、YMGP 山崎
― ニックス様のこれまでの歩みや、人材面の支援を受けようと決めたきっかけを教えてください。
株式会社ニックス 西川 直希社長(以下、西川社長) 当社は先代がビルメンテナンス事業を始め、電気通信事業、旅行代理店などへと時代やニーズに応じて一つずつ拡大してきました。現在の主力事業となっている介護事業部は、1996年に立ち上げました。
YMGPさん(旧YMキャリア)と接点を持ったのは2020年頃です。私が経営を担う立場になった頃、会社として持続的に成長していくためには、組織体制を計画的に強化していく必要があると感じるようになりました。そこで、取引銀行に相談したところ、YMGPさんをご紹介いただき、まずは副業・兼業形式で専門的な知見を期間限定で活用できる「YMプロシェアリング」の支援を受けることとなりました。プロ人材とともに、社員の意識調査やヒアリングを行い、現場の声や組織の状態を可視化していきました。その結果、これまで現場の力で乗り越えてきた当社の強みを再確認すると同時に、次の成長段階を見据えると、マネジメントの役割や体制をより計画的に整理・強化していく必要性が明確になってきました。
ただ、マネジメント層を自社内だけで育成していくには一定の時間を要するため、事業スピードを落とさずに組織を強化する方法も検討する必要がありました。そこで、他社でのマネジメント経験を持つ即戦力の方をお迎えすることを、現実的な選択肢として検討しました。外部人材の採用は、YMGPの『伴走型支援サービス(※)』を活用して進めることとなりました。そこで担当になっていただいたのが山崎さんでした。
※ ミドル層~経営層の人材紹介サービス
株式会社YMFGグロースパートナーズ 課長代理 山崎 浩信(以下、山崎) もともと別のサービスを通じて関わらせていただいていたこともあり、YMGPとして、ニックス様がどのような組織で、どんな価値観を大切にされているかについては、一定の理解を持った状態から支援をスタートすることができました。
その上で、「今の組織体制でどこに負荷がかかっているのか」、「今後の事業展開を見据えると、どの役割を補強すべきか」といった点を西川社長と対話しながら整理し、ポジションごとに必要なマネジメント人材像を具体化していきました。介護の知見やマネジメントスキルだけではなく、組織を任せていく上での人としての信頼も重視しながら、一人ひとり見立てたうえでご紹介しています。必要に応じて面接にも同席し、候補者の考え方を共有するなど、判断に必要な情報整理もご支援しました。
その結果として、2020年以降、複数の候補者をご紹介し、選考を経て3名の方を採用いただいています。採用後も、定期的なフォローや意見交換を重ねながら、組織や人材の状況を共有し、必要に応じた支援を続けてきました。こうした関係性が、約5年にわたって続いています。
西川社長山崎さんからご紹介いただいた候補者については、基本的には全員お会いするようにしていました。2020年から現在にいたるまで、継続して担当してくださっているため、当社の状況や考え方を理解した上で提案してくれているという信頼があったからです。事業承継、新規事業検討など、会社のフェーズが変わっていく中で、その都度状況を共有しながら相談できていたのは大きかったです。また、事業の変革のタイミングで、「このような課題がないですか」と逆提案を受けることもありました。だからこそ、紹介いただいた方とは前向きにお会いしようと思えました。
― 実際に人材を採用・配置するにあたって、特に意識されていた点は何でしょうか。
西川社長 採用や配置にあたって意識していたのは、マネージャーが現場の近くにいる体制をつくることです。大手の介護事業者であれば、より広いエリアを一人で統括する体制を取ることが多いと思いますが、当社ではあえてコンパクトなエリアの中で、現在は5名のマネジメント人材を配置しています。そうすることで、コンプライアンスの遵守、サービス品質のチェックにしっかりと目を配ることができますし、現場の近くにマネージャーがいることで、相談しやすく、何かあればすぐに動ける体制をつくることができます。結果として、より品質の高いサービスを利用者の方に提供できると考えています。
もともと私を含めてマネージャー4名体制で運営していましたが、私が代表に就くことをはじめ、会社のフェーズが変わる中で、マネジメント体制の見直しが必要なタイミングがでてきました。そうしたフェーズの変化に合わせて、体制を少しずつ整えていきました。
山崎介護業界は離職が多いという印象もありましたが、御社は職員が相談しやすい環境を作ることで離職の防止につながっていると感じています。
西川社長当社は広島県の認証制度の「魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま」でプラチナ認証法人となっています。介護は人の力が不可欠な業界ですので、スタッフが安心して働き続けられる環境を整えることが、事業を安定して続けていくうえで何より重要だと考えています。しっかりとしたマネジメント体制が現場の安心感につながり、結果として離職率も下がってきていますので、マネジメント層を迎えたことは、組織としてみてもよい選択だったと感じています。
― マネジメントを担う人材を外部から迎えたことで、新たな変化もあったのではないでしょうか。
西川社長 入社してくれた方々が数値や根拠をもとに、ロジカル的に改善や品質向上の提案をしてくれるようになったことはその一つです。これまでのように「何となく」や「ただ頑張ってみよう」といった感覚的な判断ではなく、「ここにこういう課題があるから、こうしてみよう」という形で、理由が明確な提案が出てくるようになり、意思決定につながっています。
介護業界でも、さまざまな人と関わる中でやり方が進化していることを実感します。一方で、一つの会社でのキャリアが長くなるほど、その会社のやり方に慣れてしまい、新しい発想が生まれにくくなる面もあります。その意味でも、論拠があって新しい目線での提案が出てくるようになったことは、とても良い変化だと思っています。
山崎従来からの現場主導型の良さを大切にしながら、新しい考え方や手法を取り入れて組織をアップデートしていく。その両立が、かみ合っているなと感じています。ニックス様には、これまで積み上げてこられた歴史があり、風通しの良い社風でもありますが、マネジメント体制が整ったことで、ビジョンが現場までより届きやすくなり、代表ご自身にとっても判断や動きがしやすい環境になっているのではないでしょうか。
― 現場職員の育成で心掛けていることはありますか。
西川社長 スタッフ育成は、サービスの品質を支える土台だと考えています。プロ人材の支援をいただいて以来、現在は二つの研修に取り組んでいます。
一つは現場社員向けの研修です。以前のやり方を見直し、外部の有識者の方に来ていただいています。新しい身体介護の手法や、介護職としての心構えなど、基礎的な部分から改めて学ぶ講座を会社として設けています。
もう一つは、管理者研修と次世代リーダー研修の二本柱によるマネジメント研修です。このうち次世代リーダー研修については、自薦・他薦問わず手を挙げて集まってもらう形にしました。5人ほど集まればと思っていましたが、結果的に23人が参加してくれました。事前課題を設定し、月1回のペースでさまざまなテーマに取り組んでもらっています。
山崎次世代リーダー研修を通じて、新たな変化も生まれてきていると伺っています。参加者を募るという仕組みも含めて、次世代の育成につながる非常にユニークで面白い取り組みだと感じています。
西川社長研修を通じて実際の行動が変わってきた人も出てきました。手ごたえとしても、実りは大きいと感じています。外部の方に講師をお招きすることで、第三者の立場から「この人にはこういう能力があって、こんな生かし方もある」というフィードバックを受けられています。私たちにとっても、これまで見えていなかった新たな一面に気づける貴重な時間となっています
― これからの事業の方向性や、今後の展望について聞かせてください。
山崎 これまでの約5年間で、人材面を起点として組織づくりを進めていく中で、会社としての土台が整ってきているように感じています。そうした状況を踏まえると、次の段階として、事業の成長曲線をどう描いていくのかを考えていくフェーズに入ってきているのではないかと思っています。より中長期の視点で事業成長を目指していくためには、会社として各エリアでどのような規模を目指し、そのためにどのような取り組みを進めていくのかを一度整理しておくことが重要だと感じていました。
また、介護業界全体として、職員の給与水準をどう高めていくかという社会的な課題もあります。事業の幅を広げながら、組織としての土台をより強くしていくことで、結果的に、処遇の向上や離職防止にもつながっていくのではないでしょうか。そうした好循環を描くための一つの手段として、中期経営計画の策定についても、ともに進めていけたらと思っています。
西川社長 中期的な見通しとして、介護分野において広島市内での存在感をさらに高め、事業所数を50カ所まで増やし、5年後には地域を代表する事業者となることを目指しています。ただ、スケールを大きくするために他の地域へ拡大していくのではなく、広島という地域にしっかり根ざした質の良いサービスを続けていくことが、私たちの在り方だと思っています。
そうした中で、これまでの介護事業に加えて、障害福祉サービスや放課後デイサービスといった分野にも、段階的に取り組み始めており、人材を活用しながらニックスとして新たな一歩を踏み出しています。
山崎ニックス様は理念やビジョンが明確で、地域に根ざすということが「お客様のために」という経営理念にもつながっていると感じます。
西川社長 「お客様のため」というのが事業者としての一丁目一番地だと思っています。利用者の方に満足していただくことが、結果として職員の働きやすさやモチベーションにつながり、その積み重ねがサービスの質を高めていきます。お客様のために何ができるかを考え続けることが、会社の根底にある考え方です。
組織強化のための人材紹介をしていただいている中で、山崎さんからは中期経営計画策定の提案もいただいていますし、「今は少し立ち止まったほうがいいのではないか」といった助言をもらうこともあります。アクセルとブレーキの両方を意識しながら伴走してくださっていると感じています。
職員を含めて、皆が安心して、楽しく働き続けられる会社であり続けられるよう、これからも成長していきたいと考えています。
株式会社ニックス様